Drawing|ミニ絵画セレクション

#18-東京202311 終


開催期間:2023 11/7(火)~11/12(日)

場所:Nine Gallery(外苑前)

 

 渋谷Bunkamuraから場所を移して2回目のNine Galleryでの個展。今回もこの素晴らしい空間で個展をできる喜びを感じながらの6日間でした。お越しいただいた皆様、誠に有り難うございました。

 これまでの私の個展ではB0サイズの大きなタペストリーをアイキャッチャーとしてメインウィンドウに掲示してきましたが、今展ではそれもやめ、スッキリと中が見渡せるレイアウトにしてみました。

いつもと同じようなディスプレイですが、作品一つ一つの間隔を10→15cmに広げました。少しゆとりができたことで、作品一つ一つの主張が高まりました。

入り口付近に設置したテーブルディスプレイです。没入感を高めるための最初の仕掛けです。大きな本を作り、中を細かく部屋状にくり抜いた雰囲気のあるディスプレイで、研究室や資料室を想起させ、これから始まる物語のプロローグ的な役割をしてくれています。

いつもは高く積み上げる大きな本のディスプレイは、無造作に床に転がしました。作品自体が2センチほどで小さいので、遠くからでもイメージを掻き立てたり、早く近づきたくなるような仕掛けが必要で、個展では7年前から使用しているディスプレイです。私の作品は物語のワンシーンや、図鑑がそのまま結晶化(ガラス)したような作品なので、大きな分厚い本は作品のイメージを増幅させてくれる大事な要素なのです。

 

会いたい人に会えたり、会えなかったり。この仕事をしていると出会いとご無沙汰(何年もご無沙汰していても、別れとはあえて言いません)のコントラストを否が応でも経験します。「後ろを振り返る」というとネガティブな表現に使われがちですが、付いてきてくれているか?確認することも大事だと思うわけです。皆さんの予想の一歩先/斜め上を走りつつ、後ろも振り返りながら自分の足跡を確認する。大事なことはブレないこと、そして自分をよく知ること。それが出来ているうちは新しいお客様も増え、そしてしばらくご無沙汰している方も「最近どう?」とふと遊びにきてくれるような気がしているのです。一点一点大事に作品を作る人間にとって、お迎えしていただいた作品の幸せをいつまでも願っていますし、お迎えいただいたその方の幸せも常に願っています。またお会いするその日まで、お互い幸せでありますように。では。