場所:アートギャラリー北野 1F
2021年初の個展は京都でした。
昨年からずっと続いているコロナ禍の影響は京都でも顕著で、海外からの観光客はほぼゼロ。国内観光客もほとんど居ない状況下での個展でした。
このギャラリーは三条河原町の大通りに面していて、普段だったら物凄い数の歩行者で賑わう立地。『歩行者から目立つディスプレイ』を意識して飾り付けたウィンドウディスプレイは、それほど多くはなかった歩行者の視線を傾け、中へと誘う事に成功しました…が、私個人的には『もっと出来た』と後悔も残るディスプレイでした。この悔しさを次回(2022年3月予定)の個展に生かしたいと思います。
私の作品は小さいので、通りがかりの方にアピールするにはインパクトが足りません。なので本のディスプレイでちょっとした違和感を演出しています。電子書籍化が進む昨今は、大きな(分厚い)本を目にする機会も少なくなってきました。なので、街中などで大きな本が視界に入ると無意識に気になると思うのです。作品を高める相棒として『本』の存在は大事な要素と考えています(本=製本も全て私の作品です)。イメージ=「ものがたり」「研究資料」「博物画」など…
今展から初登場だったのが『見開きの本の中央部にジオラマ』の額。もう何年も前に思いついてはいたものの、なかなか取り掛からなかったアイテムです。
白く綺麗な壁のギャラリーでした。多くの作品を額装にし、等間隔に配置する事で統一性を出したのですが、単調なリズムと多すぎる情報量が見る方の『気楽に見るアート』の良さを消してしまいました。人通りも多く、深い意図を持たず入って来られる方もいらっしゃる場所なので、そこまでの配慮が足りなかったと反省。
照明もこだわりの一つです。ブルー系のガラスにはあまり適さないのですが、レトロな感じのする照明をセレクトしています。個展会場に入ったら冒険が始まるような、研究室に迷い込んだような…そんな感覚を覚えてもらえる様にレイアウトしています。
多くのお客様が長い時間滞在して下さいました。作品を見ている(選んでいる)時間や、お話ししている時間は、普段のことを忘れ、しばし私の頭の中の世界観に浸って下さった事と思います。
来春もこの場所に戻ってまいります。今回感じた事、反省を生かして、さらに素晴らしい個展を開催したいと思っていますので、また次回も楽しみにしていてください。
ありがとうございました。