#23-京都202409 終


開催期間:2024 9/25(水)~9/30(月)

場所:アートギャラリー北野 1F

 

 9月最終週ということもあって、若干秋めいてきた京都。とはいえまだまだ暑さの残る中での6日間、無事終わりました。これまでの個展はメインウィンドウに大きなタペストリーを掲げてきました。これは遠くを歩く人の訴求効果を狙ったものでしたが、良くも悪くもウィンドウに飾った作品を見て、興味が完結してしまうお客様も多かった。なので今展では中を見渡してもらい、さらに興味があれば入ってきてもらうという一連の流れを演出したディスプレイとしました。

 さながら研究室や考古学者の書斎部屋を想起させるディスプレイで、見た人の冒険心や好奇心を掻き立てるようなイメージ。大きな本型のディスプレイは立て掛けるのではなく、置いて展示することで、通りからはちょっと見にくくしました。効果はあって、本の中を覗き込んだり、ディスプレイの写真を撮ったり、「何がやっているんだろう?」と興味を持ってもらえました。これからも試行錯誤しながら最適解に近づいていけたらと思っています。そして作業工程で出るガラスの粉を固めて焼いた「小さなガラスの花」をいろんなところに挿し、本ばかりのディスプレイに華やかさをプラスしました。

 今展では本型(手作り)の額を以前より広い間隔で並べました。作品と対峙する時間を増やそうと思っての工夫。効果はどれほどあったかはわからないけど、個人的にはすっきり見やすく、情報量も抑えられたと思っています。

  会場の奥の展示台にはリングやネックレス、ペーパーウェイトを置きました。ここも見やすさというよりは世界観を凝縮したようなビジュアル。次回はここももう少し懲りたいと思っています。

  吊るした照明は作品を煌めかせてくれる。温かみのある光が、道ゆく人の目に止まり、海外からのツーリストにもたくさんお立ち寄りいただきました。

   SNSを見てくれてる人がたくさん来てくれました。海外から休みを利用してわざわざ来てくれた人もいたし、仕事を休んでまで来てくれた人も多かったです。 

 皆さんに支えられて自分が存在すること、改めて深く感じた6日間でした。来てくれた人、見てくれた人、買ってくださった人に、恩返しをしていきたいし、感動を与えられる人間でありたい。あらためてそう強く思いました。

 もともと「1cmの宇宙」というフレーズは映画のタイトルの様な感覚でつけました(約25年前)。いずれはフェーズが変わり別のタイトルへ。そうしてナカダマサヒデとしてのプロジェクト(プロダクト)はいくつかのタイトルを保持するつもりでしたが、結局「1cmの宇宙」は会社名にもなり、ブランド名の様な認識をしてもらえる様になりました。いまだに自分としてはブランド名という感覚は薄く、やはり映画タイトルの様なイメージでいます。それはきっと個展を販売会の様な性質のものではなく、体験型の移動美術館(博物館)の様な感覚でいるからなのだと思います。今までもこれからもその想いは変わらず「1cmの宇宙」という物語を皆さんと一緒に楽しんでいけたらと思う次第です。 

 次回の京都個展は来年4月。また面白いことを考えています。それを実現するために、また今日から準備を始めます。