#24-東京202411 終


開催期間:2024 11/5(火)~11/10(日)

場所:Nine Gallery(外苑前)

 

 渋谷Bunkamuraから場所を移して4回目のNine Galleryでの個展。前々回悩まされた目の前の工事。今回は小規模ながらも騒音とタバコの匂いに悩まされたことは忘備録として残しておきたいと思います。

外からは中がすっきりと見える様にしました。手作りの大きな本を無造作に積み上げることで、知性や探究心、冒険心を掻き立てるアプローチです。手作りの小さなガラスのお花をたくさん散りばめました。知性が芽吹き花開いたというイメージです。

小さな本に20年以上前に作ったシルバーリングなどを入れました。先日アトリエを掃除していた時に出てきた過去の作品を、綺麗に磨き直し値段を付け直して展示販売しました。アーカイブは2度と作れないし、私を育ててくれた大事な作品たちなので、どうしても見て欲しかったのです。

 

今回は作品一つ一つの間隔を約20cmにさらに広げました。2年前は間隔が10cmだったことを思えば、だいぶ広がりました。作品ひとつひとつゆったり見られるのが利点です。昔の様な、ちょっと窮屈にたくさん飾るのも好きなんですけどね。

ガラスの粉で作ったお花は、ご購入のご希望もいただきました。作る過程で市販のシリコンモールド(型)を使用する点が、自分的に販売を躊躇させます。とはいえモールドを使用する工程の後、電気炉で焼成し穴を開け、針金を接着する工程があるので、ほぼ手作りと言っていいのだけど、販売に至らないのは私なりのささやかな美学なのでしょうか。

 今回も多くの方に見にきていただきました。初めての方、数年ぶりの方がいつもより多かった様な気がします。対して、いつもきてくれる方の多くが今回お見えになりませんでした。

 6日間しかないので、都合がつかないパターンもあると思いますが、私にとってはその6日間こそが半年間の集大成であり、全てを注いだ6日間。やはりきていただきたい思いが強いです。
 「少し無理してでも個展には行きたい!」と思ってもらえる、もっと求心力の強い個展を意識しなければならないと再認識しました。

 そしてアーカイブ(過去)作品を展示するにあたり、頭に思い浮かんだのは今まで作品をお迎えくださった皆さんの存在。皆さんの支えがあって25年ほどのアーティスト活動をしてこられました。これまで作品を買っていただいた全員に来てもらうことは到底不可能だけど、そういう理想も追い求めなければいけない。

これから10年、20年と活動を続けていく上で必要なのは、「未来」と同じくらい「今」「過去」が大事だと思っています。

さて、とりとめのない理想ばかり語ってしまいました。また来年の6月も同じ場所で個展をします。覚悟を持って準備します。またお会いしましょう。