開催期間:2025 9/24(水)~9/29(月)
場所:アートギャラリー北野 1F
2025年春の京都個展は、桜の開花時期と丸かぶりしてしまったという不運もありました。「人出も多くてラッキーじゃん」って思われがちですが、日中は桜を見に郊外へ、夜は街中に人は多いけどアートどころじゃない、という。その反省を生かし、今展はギャラリー前を通る通行人に、いかに興味を引いてもらえるかがテーマでした。いつもの個展と大きく変わったところは、メインウィンドウの横長のタペストリーと、来場記念のガラス球のプレゼントです。
メインウィンドウの上部にはアイキャッチャーとなる横長のタペストリー。今回のDMにも使用したメイン作品を掲げました。遠くからでも視認性があるので、それなりの効果がありました。「ウィンドウを見て興味があったので入ってきました」というお客様がちらほら。新しいお客様を増やすためには偶然性を高めていかなければいけません。
ウィンドウの下部は大きな本を無造作に積み重ね、ちょっとした違和感を演出しています。京都三条河原町で人通りの多い道沿いにおいて、普通のディスプレイでは情報過多な街並みに埋もれてしまいます。かといって奇抜すぎるのは洗練された美しいガラスの世界観を壊してしまう。これからもちょうどいい違和感と世界観を増幅させるディスプレイを追求していきます。
通りに面したメインウィンドウは少し散らかった感じにしましたが、中に入ってみれば整然と並べられた本型の額。その中にはストーリー性を孕んだガラス作品たちが健気に主張しています。
今展の初の試みとして用意してきたガラスビーズ。制作過程で出来てしまうカケラは、そのままではガラスのゴミにしかなりませんが、綺麗に焼き直すことでみんなが喜ぶ役目を新たに与えました。通りかかった外国人もたくさんお持ち帰りになりました。きっといろんな国に渡ったと思います。覗き込んだらその国と繋がるかもしれません。
今まで制作/郵送してきたDM(ご案内葉書)をファイルにしました。2007年から現在まで。古くから個展に来てくださっている方は懐かしがってくれたり、最近知ってくださった方は昔の作品を知って驚いてくださいました。
会場の奥のスペースにはアーカイブ作品ゾーン。ガラス作品なので劣化もしないのですが、僕の作品はお客様のもとに行って初めて完成するので、一つでも多くの作品を完成させたくて、お求めやすい価格に設定しました。
今までどんな時も制作/郵送してきたDM(ご案内葉書)ですが、郵便料金の値上げなど、いろんな事情を考慮して今回でしばらく郵送を休みます。会場にはビジュアルカードとして今後もご用意し続けます(無料)ので、ご希望の方は是非個展に遊びに来てください。
世界的に実際どうなのかは分かりませんが、日本は生活苦のムードで、アートどころではない風潮があるように感じます。SNSも心がすり減ったり、他人への嘲笑など、心痛む状況が続いている昨今です。僕の展示や作品が少しでも皆さんの勇気や癒しになったら嬉しいです。
次回の京都個展は来年の3月上旬。さらに世界観を磨いてきます。またお会いしましょう。